石造種子両界曼荼羅板碑

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「むこうしの文化遺産」31 石造種子両界曼荼羅板碑

資料名(ヨミ)「ムコウシノブンカイサン」31 セキゾウシュジリョウカイマンダライタビ
解説向日市指定文化財 物集女(もずめ) 来迎寺(らいこうじ)・薬師堂前 
現在の地上高154.8㎝・最大幅90.5㎝・頂上部奥行43.0㎝・中央部奥行29.7㎝ 14世紀頃

 梵字一字で尊像をあらわす種字によって曼荼羅を表現した石造物。上部に胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅の中央部の中台八葉院(ちゅうだいはちよういん)、下部に月輪(げつりん)を9分割して金剛界(こんごうかい)曼荼羅の中心である五智如来(ごちにょらい)を刻む。最下段に蓮弁を表現して蓮華座(れんげざ)としている。『京都の石造美術』(川勝政太郎著・1972年)に掲載された写真では、蓮華座の下に造り出し部があるが現在は見えず、地中にどれほど埋没しているかは不明。
 竜山石(たつやまいし)製で古墳の石棺の身の側壁を除いて、その底に種字を刻む。見事な薬研彫(やげんぼ)りで風格ある板碑として、古くから名高い。奥にみえている宝篋印塔(ほうきょういんとう)(南北朝期)とともに、すぐ近くの物集女公民館の場所にあり明治6年(1873)に廃寺となった光勝寺(こうしょうじ)から、本尊薬師如来坐像をはじめとする什宝と一緒に移されたもの。

(向日市文化資料館開館25周年記念特別展「むこうしの文化遺産―みぢかな歴史のモノがたり」図録より)
※平成21年(2009)10月31日発行

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