阿弥陀如来立像 (正面) (上植野 持泉寺)

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「むこうしの文化遺産」8 阿弥陀如来立像

資料名(ヨミ)「ムコウシノブンカイサン」8 アミダニョライリュウゾウ
解説向日市指定文化財 上植野 持泉寺(じせんじ) 
寄木造(よせぎづくり) 玉眼(ぎょくがん) 漆箔(しっぱく) 像高 95.3㎝ 鎌倉時代初期

 両手ともに親指と人差指を捻(ねん)じる来迎印を結び、鎌倉時代をとおして作例の多い、高さ三尺の阿弥陀如来立像である。小粒で美しくならんだ螺髪、細身で両足長く、浅い流麗な衣文を刻んだ姿には藤原彫刻の面影をのこしているが、相貌(そうぼう)は玉眼(ぎょくがん)を入れ引き締まった表情である。定朝様の作風をとどめながらも、鎌倉時代に入ってから作られた像と思われる。
 持泉寺(じせんじ)は、南禅寺53世伯英徳俊(はくえいとくしゅん)によって応永元年(1394)に開創されたと伝え、現在も南禅寺の末寺。この像が古くから持泉寺の本尊とされているが、おそらく開創時に本尊として造立されたとみられる釈迦如来坐像が、現在脇壇に安置される。この阿弥陀如来像は、もとは近隣の浄土系寺院の本尊であったものが、寺運衰退により当寺に移され、いつのころか本尊となったと推測される。

(向日市文化資料館開館25周年記念特別展「むこうしの文化遺産―みぢかな歴史のモノがたり」図録より)
※平成21年(2009)10月31日発行

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