阿弥陀如来立像 (左斜め) (鶏冠井 南真経寺)

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「むこうしの文化遺産」10 阿弥陀如来立像

資料名(ヨミ)「ムコウシノブンカイサン」10 アミダニョライリュウゾウ
解説向日市指定文化財 鶏冠井(かいで) 南真経寺 
寄木造(よせぎづくり) 玉眼(ぎょくがん) 肉身漆箔(しっぱく)・衣部粉溜(ふんだみ) 像高 51.8㎝ 鎌倉時代

 安阿弥様(あんなみよう)と称される、鎌倉時代の仏師快慶の作風に属する像で、複雑な衣文の流れを巧みにまとめている。安阿弥様の阿弥陀如来像は像高3尺、親指と人差指を捻じる上品下生印(じょうぼんげしょういん)のものが多いが、この像は像高がその半分ほどで小さく、親指と中指を捻じる中品下生(ちゅうぼんげしょう)の印相(いんそう)を結ぶのが珍しい。小像ながら、鎌倉時代の写実的で流麗な新様式を精確に表現している。13世紀前期の作。
 南真経寺は、関西最初の日蓮宗集落として知られる鶏冠井の信仰の中心であった寺院で、江戸時代前期に檀林となった北真経寺と分かれて現在地に移った。鎌倉末期の改宗以前は真言宗寺院であったが、現在は客殿に安置される本像の伝来ははっきりしない。このような小像は、個人の念持仏(ねんじぶつ)としての性格が強いといえるだろう。

(向日市文化資料館開館25周年記念特別展「むこうしの文化遺産―みぢかな歴史のモノがたり」図録より)
※平成21年(2009)10月31日発行

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