阿弥陀如来坐像(正面)

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「むこうしの文化遺産」6 阿弥陀如来座像

資料名(ヨミ)「ムコウシノブンカイサン」6 アミダニョライザゾウ
解説向日市指定文化財 物集女(もずめ) 来迎寺(らいこうじ) 
一木造(いちぼくづくり) 彫眼(ちょうがん) 古色(こしょく) 像高 53.2㎝ 平安時代後期

 両手とも親指と人差指で来迎印(らいごういん)をむすび、往生者を西方極楽浄土から迎えに来る姿を表す。正面を向き、右足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)する。上瞼(うわまぶた)を垂れ、上唇を突き出した彫りの深い面相(めんそう)で、後頭部から頚(くび)まで急傾斜で直線状をなすなど、特色のある頭部を作る。
 全体に温雅な気分が漂ううちにも、胸幅豊かに毅然とした風姿と抑揚のある彫法をみせる。 定朝様 (じょうちょうよう)と称される平安時代後期の彫刻の特徴を示すが、古様な表現は11世紀末にさかのぼる制作を物語る。7の薬師如来坐像とともに、来迎寺境内の薬師堂に安置されている像で、もとは近くにあった光勝寺(こうしょうじ)の什仏であった。

(向日市文化資料館開館25周年記念特別展「むこうしの文化遺産―みぢかな歴史のモノがたり」図録より)
※平成21年(2009)10月31日発行

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