安井仲治

作家名(よみ)やすいなかじ
作家名(英語)YASUI Nakaji
生地大阪府
生年1903
没地兵庫県
没年1942

作家解説

安井仲治は、大正期から太平洋戦争勃発までの激動の時代に活動し、戦前の写真史に大きな足跡を残した。洋紙店を営む裕福な家に生まれ、10代で関西の名門アマチュア写真団体である浪華写真倶楽部の会員となる。1920年代には、現在「芸術写真」と呼ばれるピグメント印画の技法を用いた絵画的な写真表現を研究し、《猿廻しの図》など初期の代表作を生み出した。1930年代に欧米の新即物主義やシュルレアリスムを取り入れた「新興写真」が新たな潮流となると、安井もこの動向に大いに感化され、重ね焼きやフォトモンタージュなどを使った実験的な表現に取り組んだ。一方で「芸術写真」の時代に探究したピグメント技法にも拘り、新興写真の模倣にとどまらない独自の表現へと向かった。1937年日中戦争開戦以降は活動に制限がかかったものの、丹平写真倶楽部の有志と共に1941年に撮影した「流氓ユダヤ」シリーズは高い評価を受け、戦時下でも旺盛な創作意欲を見せた。1942年に腎不全のため38歳の若さで没した。

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