大塚泰子

作家名(よみ)おおつかやすこ
作家名(英語)OTSUKA Yasuko
生地広島県
生年1968

作家解説

多摩美術大学で版画を学んだ大塚は、リトグラフをはじめさまざまな技法を横断的に用いながら「色」の物質化に取り組んできた。色とは本来形を持たず、ある物体に反射した光がわたしたちの目を経由して脳で処理された感覚のことを指す。しかし大塚はこうした光学的な色彩論を離れ、作品を通じて色がまるでそこに物質として存在しているかのように扱う。代表作に、版画技法をベースに、同じ色のインクの濃さを変えて刷ってみたり、あるいは2色の上下を替えて刷り重ねてみたりすることで、同じ色のように見えて繊細な差異を孕んだ色面のヴァリエーションを展開する画布のシリーズや、白をテーマに色のない画面に鮮やかにイメージを立ち上げる〈Colorless〉のシリーズ、水色や空色という色名を逆手にとって水や空を煮凝りのように固めて見せた〈水の彫刻〉〈空の彫刻〉シリーズなどがある。大塚の作品は、色を通じて人間の視覚や認識、概念の関係を問い直すコンセプチュアルな要素を根底に含みながら、それを美的で心地よいかたちで提示するところに特徴がある。

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