加藤巧

作家名(よみ)かとうたくみ
作家名(英語)KATO Takumi
生地愛知県名古屋市
生年1984

作家解説

2010年大阪芸術大学芸術学部美術学科彫刻・総合素材コース卒業。加藤は、14世紀から15世紀にかけて活動したイタリアの画家チェンニーノ・チェンニーニ(1360頃-before以前)による絵画の技法書『絵画術の書』を起点とする材料史研究を参照し、自らの絵画制作に取り入れている。水彩絵具のように湿潤で偶然の要素を多く含む筆致を、極めて精密なコントロールが要求されるエッグテンペラやフレスコといった「古い」技法を用いて模倣することで、加藤は画家の一筆に宿っているものを徹底的に相対化しようとする。「描く」という行為を一つ一つの筆触にまで分解し、その筆触を生み出し構成している刷毛、顔料、メディウム、水気などの複数の要素が、描き手の思考と不可分なかたちで練り上げられていることを暴く加藤の試みは、まさに絵画というものが成立するための立脚点を、自らの絵画実践を通じて果敢に掘り崩そうとするものである。

この作家の作品一覧[全4件]

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