長江重和

制作/生産地・窯・作者名(よみ)ながえしげかず
制作/生産地・窯・作者名(英語)NAGAE Shigekazu
生年1953

略歴・解説

長江重和は鋳込み成形を用いた造形の第一人者であり、朝日陶芸展や日本陶芸展などの国内コンペティションにとどまらず、海外においてもグランプリを受賞するなど、世界的に活躍する作家である。長江は瀬戸・品野で鋳込み成形の食器を手がけていた窯元に出自をもつが、食器は製品であるため焼成時のゆがみは失敗品としてみなされる。しかし、長江はそのゆがみを磁器の性質と捉えて造形に取り入れることで、鋳込み成形の技法がもつ創造的な可能性を提示しているのである。さらに、量産可能な相似形状の素地を、重ねる、あるいは焼成時に窯道具で支える場所を変えることで、造形に個性を生み出しているのも特筆すべき点である。

【略歴】
1963年 瀬戸市生まれ
1974年 愛知県立瀬戸窯業高校窯業専攻科修了
<主な展覧会>
1990年 朝日陶芸展オーストラリア巡回
1996年 凛-現代の陶芸美-
    磁器の表現-1990年代の展開-
1999年 日本現代陶芸展-前衛の動向
    なんてき・れ・い なんて不思議 釉薬の表現と陶芸美
2001年 現代陶芸の諸相-やきものの手法とかたち-
    第6回スイス・ニヨン国際磁器トリエンナーレ
2002年 アジア・パシフィック現代陶芸展
2003年 白磁・青磁の世界
2006年 日本陶芸100年の精華展
    現代クレイワーク日本
2012年 ヴァロリス陶磁器ビエンナーレ
2015年 愛知ノート-土・陶・風土・記憶-
2022年 ホモ・ファーベルの断片
<主な受賞歴>
1979年 中日国際陶芸展 大賞(同’86)
1992年 朝日陶芸展 大賞
1997年 日本陶芸展 大賞・桂宮賜杯
1998年 第5回スイス・ニヨン国際磁器トリエンナーレ グランプリ
    (ポワソン・ドール賞)
2004年 愛知県芸術文化選奨 文化賞

<主なパブリックコレクション>
国際交流基金(東京)、国立セーブル美術館(フランス)、ヴィクトリア&アルバート博物館(イギリス)、ベルリン東洋美術館(ドイツ)、メトロポリタン美術館(アメリカ) ほか

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