写真提供先:沖縄観光コンベンションビューロー

ブタ

名称かなぶた
方言名ゥワー ワー シシ
大分類2章 食べてきたもの
中分類食材(肉・卵)
解説沖縄の伝統的な食文化において重要な食材のひとつ。豚を使った料理の種類が豊富で、肉や骨だけでなく、血液、内臓、脂、皮膚に至るまで余すことなく活用することが大きな特徴です。沖縄で豚がいつごろから導入され、食べられていたか明らかではありませんが、1477年(成化13)には琉球で豚が家畜として飼育していたことが記録されています(『朝鮮王朝実録』〈1479年〉)。しかしこのころの琉球では豚の消費は少なく、大量に消費するようになったのは琉球国王の冊封のため中国から訪れる冊封使一行への対応が背景にあると考えられています。その後飼育が盛んになり、各家庭でも豚が飼育されるようになったのは18世紀以降とされています。豚の畜殺は18世紀には制限が解かれ、農業に用いる堆肥作りに欠かせない家畜のひとつとしても飼育が奨励されました。明治期以降、大規模な養豚が始まり、第二次世界大戦後頭数が激減しましたが、品種改良や増殖により10年後には戦前の飼育頭数まで回復しました。その後、沖縄で広く飼育されてきた黒豚ではなく、白色の西洋種の豚が多くなり、1970年代以降は家庭飼育から養豚団地形成へと変化しました。このように社会状況の変化や食習慣・嗜好の変化と相まって、養豚の規模は拡大し沖縄の畜産業の中で大きな比重を占め、また生肉や加工品が輸入されています。戦後の一時期まで、農村などではワークルシーが行われていました。旧正月の準備のため育ててきた豚を畜殺し、正月用の豚肉や骨を準備するほか、残りの肉、骨、血液、内臓、脂は分けて塩漬などに加工され、保存されました。

関連資料の表示

PageTop