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≪セルヴィス・ルソー≫の台皿
タイトル(よみ) | ≪せるヴぃす・るそー≫のだいざら |
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作家 | フェリックス・ブラックモン Felix Bracquemond |
窯名 | クレイユ・モントロールブフ・ミエ社 |
制作年 | 1866-1875 |
寸法 | 10.4×23.8×23.8cm |
員数 | 1 |
解説 | フェリックス・ブラックモンは、日本美術の影響を受けた版画家として知られる。1960年代より東洋美術の流入がさかんになり、フランスではバロック、ロココの様式を踏まえてジャポ二ズムを迎える。それによって来たるべきアール・ヌーヴォーを生む土壌を形成することとなった。この意味でブラックモンが北斎漫画などの図柄を引用した<セルヴィス・ルソー>は、陶芸はもとより広くヨーロッパを覆ったジャポニズムにおいて重要な位置を占める作品である。 1866年、ブラックモンは陶磁器制作・販売業者のウジェーヌ・ルソーの依頼を受け、日本美術特に北斎漫画から多くの着想を得てデザインした食器セットを共同制作する。<セルビス・ルソー>と名付けられたこのセットは、「北斎漫画」や広重の「魚づくし」の絵柄をもとに魚や花鳥、虫などの文様が配され、翌1867年のパリ万博に出品され注目を浴びる。これは装飾美術において、日本美術のモチィーフが引用された最初の作例と目されている。18世紀フランスの伝統的な形式に基づいた器形に、北斎漫画などから採った図が用いられるというのは、当時として極めて大胆で独創的な試みであった。この企画は万博でも賞賛を浴び、成功を収める。 本作品は、ファイアンスにおけるジャポニズムの端緒をひらき、また以降の陶磁器デザインの源泉として大きな影響をもつこととなった。 |