花器

タイトル(よみ)かき
作品名(原題)Vaas
作家ローゼンブルフ Rozenburg
窯名ローゼンブルフ
制作年1900年
寸法26.0×10.8×8.0cm
員数1
解説 ローゼンブルフは、ヴィルヘルム・ウォルフとコーレンブランデルによって、1884年に操業を開始した。1889年半ばまで製作されつづけ、ローゼンブルフの名を知らしめることとなったコーレンブランデルの陶器は、東洋建築を意識した形態と淡い青、緑、黄土色、茶色で彩色された(ときに自然を題材とした装飾であった)花瓶などであった。さらにその15年後、ディレクターとして入社したユリアン・コックによってその地位を確固たるものとしたが、それは元来輸出用として1899年から1914年まで製作されたエッグシェルによるところが大きい。エッグシェルは、回転している型の中に釉薬が流し込まれ、遠心力によって外側へ引っ張られることにより非常に薄く製作された。
 本作品は両把手を備えた縦長の花瓶である。1983年にオランダのハーグ市立美術館で開催された展覧会図録によると、この作品は、現在アムステルダム市立美術館に所蔵されている作品と本作品との2点が製作されたという。形態は、胴体の平面及び直線と把手の曲線、挿口の円筒で構成されており、そこに黄金色を基調とした草花が描かれ、さらに前後面には鳥も加筆されている。この形態と模様によって、過度なまでの装飾と、曲線だけの構成ではないオランダ特有のアール・ヌーヴォーが表現されている。これは、オランダという国が他のヨーロッパ諸国に比べ中国や日本を始めとする様々な国の刺激を多分に受けていることがその理由に挙げられよう。本作品はアール・ヌーヴォー調を得意とするローゼンブルフの作品の中でも際立って艶やかである。

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