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コーヒーセット “ドレスデンスプレイ”
| タイトル(よみ) | こーひーせっと "どれすでんすぷれい" |
|---|---|
| 作家 | スージー・クーパー Susie Cooper |
| 制作年 | 1935年頃 |
| 員数 | 16 |
| 解説 | スージー・クーパーは本名をスーザン・ヴェラ・クーパー(Susan Vera Cooper)という。中産階級の7人兄弟の末子として生まれた彼女は、他の兄弟に比して自由に過ごすことを許されていた。幼いころより芸術に関心を持っていたスージーの才能は、バーズレムの美術学校全日クラスに編入したころから開花し始める。その後、若干20歳でグレイ社に入社した彼女は工場倒産や焼失などの困難を乗り越え、数々の作品を発表。『The Pottery Gazette』誌上で「洗練された独特な作品」と称賛されるなど成功を収めていく。 スージーの装飾デザインは、温かみがありながら鮮やかな線と淡い色彩で構成され、優雅で繊細な雰囲気を醸し出している。また機能性と芸術性の融合を追求した形態は直線と曲線の融合が美しく実用的である。彼女のデザインが現在でも人気を集める最大の理由はこれらが影響しあって見事に融合している点にあるといえよう。 本作品はスージーの代表的なパターンの一つであるドレスデン・スプレイがレックス(Rex)と呼ばれるフォルムに施されたコーヒーサービスである。この模様は、元来1935年にハリー・ウッドの「自社のために、花柄のリトグラフをデザインして欲しい」という依頼により考案されたデザインである。しかし大量生産に不適切であると判断され、スージーが自社製品として売り出すこととなったもので、様々なカラーヴァリエーションが制作された。本作品は爽やかなグリーンのパステル色を基調としたパターンナンバー1017である。またレックスは、スージーが自身で使用するために改良したと考えられているウッド社のシェイプで、丸みを帯びた胴体と、直線と曲線により構成された把手が均整のとれた全体を成立させている。 |