/2
フォーム
タイトル(よみ) | ふぉーむ |
---|---|
作家 | トルビョルン・クヴァスボー Torbjorn Kvasvo |
制作年 | 1999年 |
寸法 | 80.0×80.0×36.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 産業陶磁器の伝統が希薄なノルウェーは、今世紀半ばに近代的工芸教育の気運の高まりにつれて、個人作家の個性が多様に開花した。個人作家的陶芸のパイオニアは、イエンス・フォンデルリッペ(1915-1970)、最初のスタジオ・ポターはエリック・プローエンとされる。そして60~70年代のリーダー、アルネ・オーセを経て90年代のクヴァスボーへと続く。オーセの磁器とクヴァスボーの穴窯による陶の造形は、ノルウェー現代陶芸の両極を成すものである。 クヴァスボーがベルゲンで受けた大学教育は、リーチの影響が色濃いものであった。現在の作品も、本人としては「容器をつくる」という認識が根底にある。つまり、中が空洞であり、内と外がある。当初から彼は「外から内へ向かう力」と「内から外へ向かう力」という「力」の存在そのものに関心を寄せていた。そうした生来の傾向と日本で修得した穴窯の技術が融合し、極めて独創的な造形活動を展開するに至る。 本作品は手練りで陶を立ち上げ、シリンダー形をつくり、磁土で蓋をするようにして封じ、更に土が柔らかいうちに、蓋をした容器の内部に向かって無数の穴を穿つ行為を繰り返して成形。穴窯で約1週間かけて焼成した作品である。本作品は、90年代以降をリードする作家として、ノルウェーのみならず欧州の陶芸状況において重要な位置を占めるクヴァスボーの代表的な作例である。 |