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Dream 0092(小)
タイトル(よみ) | どりーむ ぜろぜろないんつー |
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作家 | 申相浩 Shin Sang-Ho |
制作年 | 1992年 |
寸法 | 高52.0径60.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 韓国の現代陶芸界の現況は大きく二つの流れに分けられて、それは高麗青磁や李朝白磁の再現を目的とした伝承陶芸と、新しい発想と技法により現代的で国際感覚をもつ創作的陶芸であるとされている。申相浩は単なる伝統技法の再現に留まらず「伝統技法を利用した現代的造形」を旺盛な制作活動により実践している点で突出している作家である。 実業家の家に生まれた申は高等学校時代から興味をもっていた陶芸を学ぶため弘益大学校美術大学に進学。18才で「申相浩陶芸研究所」の看板を掲げ、高麗青磁や李朝白磁、粉青沙器などの韓国伝統陶磁技法の探求を行った。1968年21才で大韓民国商工美術展に入選。その後数々の賞を受賞し、母校弘益大学で教鞭を取りながら「釜谷陶房」を運営する。80年からはボストンでのワークショップをはじめ、84年にはコネチカット大学で交換教授として指導し、1995年には草月美術館で個展を行うなど海外での活動も精力的である。 申は「ろくろで作り出される対称性をもつ作品を作り出すことは技術の発達であり、精神の発達ではない」という。草月美術館の個展でのインタビューで語られた言葉であるが、それは初期の模倣的な伝承作品から80年代突如として実用と轆轤から離れた大型の造形作品制作を経て、90年代に粉青沙器の技法での現代的造形の表現に挑戦するに至った経験から発せられた言葉であろう。 本作品は90年代に入って再度粉青沙器の仕事をはじめた頃の作品である。その轆轤は張りつめて研ぎ澄まされた完結美というのではなく、韓国特有の「余白をもったものが美しい」とする美観を示し、象嵌の余白となる緑の瓷胎に味わいがある。 |