景II
タイトル(よみ) | けい II |
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作家 | 深見陶治 Fukami Sueharu |
制作年 | 2000年 |
寸法 | 181.0×45.0×42.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 深見陶治は、京都泉涌寺の窯元、陸泉陶苑の深見芳一の子として生まれ、京都市工芸指導所専科修了後、昭和42年に轆轤による磁器の鉢で日展に初入選し、本格的な作家活動に入っている。 一時その技術的制約から磁器を離れ陶器を手がけるが、程なく明瞭に自らの体質が磁器の特性と相和すと自覚し、徹底した磁器表現の追求を決意する。 現在深見が用いている技法である圧力鋳込みによる青白磁の作品は、昭和55年に発表されている。さまざまな試行を重ねてのち、昭和60年には、ファエンツア国際陶芸展でグランプリを受賞。以来、国際的にも高い評価を得て、国内外で旺盛に活動している。 深見は土に残る手跡を嫌い、圧力鋳込みの技法を選択したというが、それは決して手技の否定ではなかった。その作品の鋭利と見える線あるいは稜線は、注意深い成形作業によって微量ではあるが実は豊かな抑揚をはらみ、そこに施された青白磁釉に、たゆたう光を計量する。深見の仕事はしばしばミニマル・アートになぞらえて語られるが、手技を否定したミニマル・アートとは異なり、深見は周到な手技をひそませながら、磁土と青白磁釉の融合の可能性において、ことに青白磁の美質の本質をなす光の解釈において、かつて無い達成を示している。 本作品はこうした深見の本領が結実した大作である。 |