ジャズ・ピアノ・テンプス・フギット (Ⅳ)
タイトル(よみ) | じゃず ぴあの てんぷす ふぎっと |
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作家 | エリザベス・フリッチ Elizabeth Fritsch |
制作年 | 1978年 |
寸法 | 26.5×11.9×8.2cm |
員数 | 1 |
解説 | エリザベス・フリッチは、音楽を専攻した後、独学で陶芸を始め、ロイヤル・カレッジ・オブ・アーツにて陶芸を学んだ。豊饒な音楽的感受性と陶芸との邂逅によって彼女は、ポットという形式を採りながら絵画性を前面に打ち出し、さらに音楽という時間芸術の要素を導入し陶表現としての新機軸を拓いた。自身の制作をジャズミュージシャンのプレイにたとえるほど、フリッチの制作は極めて即興的であり、フォルムについても加飾のパターンについてもスケッチ無しで制作が進められる。旋律と階調はフォルムに、ハーモニーは色彩構成に、リズムは文様のパターンに相当し、とりわけパターンはフォルムを強調する要素として重視されている。 音楽を本格的にモチーフとして、フリッチは1978年に個展"Pots about Music"を行い、その個展巡回中に本作品の制作に入る。ジャズの名曲"Tempus Fugit"に想を得て、初めて4点組みによる表現に取り組んだのである。翌1979年にヴィクトリア&アルバート美術館での個展で本作品を4点構成で発表し好評を博した。単独でも成立する作品であるため、発表と同時にそれぞれ異なる所蔵者が決まり、以後4点構成による展示は行われなかったが、当館の収集によって再び発表時の4点から成る展示が再び可能となった。 |