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道化の華-2-

タイトル(よみ)どうけのはな-2-
作家熊倉順吉 Kumakura Junkichi
制作年1978年
寸法59.5×36.5×12.0cm
員数1
解説 熊倉は一時モダンアート協会に属し、また走泥社同人となって活躍するなど、早くから「前衛の旗手」として認知された陶芸家である。陶芸を志していらい、熊倉は器物制作にいそしみ、絵付けによって新しい陶芸を作り出そうとした。しかし彼の関心はやがて形に向かい、彫刻的な作品制作の時期を経て、土の塊としての性格が強く表現された作品、肉体の部分を形取った作品、ジャズをテーマとした作品、金彩を特殊処理した作品と多彩に作品を展開していく。 本作品では赤土で女性の上半身が表されているが、大胆にもその顔の部分には花と思われる造形物が据えられている。この現実離れした組合せには、熊倉が追求した人間の「生」というものが象徴的な表現として表されている。
「自らの心をゆさぶり動かすような激しい現実との対決や、社会へのきびしい視角の上にたって、我々がどうしても語らざるにいられないものに圧せられ、苦しむ時、生まれてくる緊迫した衝動こそが新しい創造といわれる真実の仕事ではないだろうか」(1960)と語る熊倉を創作へ突き動かしたものは、その緊迫した衝動であった。その衝動によって人間の「生」を見つめなおそうとした熊倉にとり、肉体とは生命が外界で形作る秩序のようなものである。したがってこの肉体を用いて、抽象的な「生」というものを目に見える形であらわそうとしたのである。
 本作品では肉体の形を借りて、熊倉の「生」への追求が非常にシュールな世界をもってよく表されている。

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