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ジャズの城
タイトル(よみ) | じゃずのしろ |
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作家 | 熊倉順吉 Kumakura Junkichi |
制作年 | 1977年 |
寸法 | 64.5×38.5×39.5cm |
員数 | 1 |
解説 | 熊倉は一時モダンアート協会に属し、また走泥社同人となって活躍するなど、早くから「前衛の旗手」として認知された陶芸家である。陶芸を志していらい、熊倉は器物制作にいそしみ、絵付けによって新しい陶芸を作り出そうとした。しかし彼の関心はやがて形に向かい、彫刻的な作品制作の時期を経て、土の塊としての性格が強く表現された作品、肉体の部分を形取った作品、ジャズをテーマとした作品、金彩を特殊処理した作品と多彩に作品を展開していく。 ジャズをテーマとする作品制作は1976-81年頃に行われているが、本作品は、熊倉のフリー・ジャズへの深い関心がよく表れている。彼にとって口は非常に象徴的なものであり、オブジェにおける口は必ずしもヴォーカルを表現しているのではない。そこには肉体の音楽であるジャズそのものを表現していること、そして最も人間らしい部分として口に関心を持っていることを熊倉は述べている。 本作品では口唇が縦に横にと並び、そびえ立つ城の頂点には、その城を治める王のように堂々とした口唇がある。前面ではスピーカーの表現によく用いられている穴と、ずらりと並んだ指が口唇を挟む。連続して並ぶ口唇やスピーカーからは、まさに何重もの声、そして音楽が聞こえてくるような迫力がある。本作品には、フリー・ジャズに重ねた熊倉の現代社会への関心がよく表現されている。 |