保存容器
タイトル(よみ) | ほぞんようき |
---|---|
作品名(原題) | Gold Store Jar |
作家 | クライヴ・ボウエン Clive Bowen |
制作年 | 2008年 |
寸法 | 28.0x21.6x21.6cm |
員数 | 1 |
解説 | クライヴ・ボウエンは、1943年、イギリスのウェールズ地方南端に位置するカーディフに生まれた。カーディフ美術学校で絵画と銅版画を学んだが、この頃から模様表現に魅力を感じていた。ボウエンの最初の妻は、バーナード・リーチの次男であるマイケル・リーチの娘であった。これを契機として1965年からマイケル・リーチに師事、特にストーンウェアの基礎を学んだ。ただ、筆による絵付けには違和感を覚え、イギリスで独自に成熟したスリップウェアに興味を持つようになったという。さらにスリップウェアの巨匠マイケル・カーデューに出会って価値観を共有し、柳宗悦の思想に触れて感銘を受けたことも、創作の方向性を決定づけた。現在も利用しているボウエンの薪窯はカーデューと同型のものであり、影響の大きさがうかがえる。一方、1969年から1年間、閉鎖直前の製陶会社C.H.ブラナム社に見習として勤務し、イギリス最後の職人たちと並んで轆轤を回したことは、技術の向上を促す得難い経験となった。1971年に、ボウエンはノース・デヴォンに工房を構えて独立する。この頃のイギリスにはスリップウェアの作家はほとんどいなかった。その中でボウエンは日々の生活を彩る実用的なスリップウェアにこだわり続け、現在では指導者と仰がれる立場になっている。 本作品は、蓋の付いた褐色の保存容器である。同じく2008年に制作された大皿と同様、ロクロ成形の後薪窯で焼成された。なだらかな形態と温かい色彩が親しみを感じさせ、ボウエンの目指す、日々の生活に使われ、愛されるやきものを体現しているようだ。 |