無題

タイトル(よみ)むだい
作家勝間田千惠子 Katsumata Chieko
制作年2000年
寸法35.0×35.0×35.0cm
員数1
解説 勝間田千惠子は、パリ留学中に陶芸家ファンス・フランクと出逢ったことが契機となり、フランス国立応用工芸美術大学にてピエール・ルローに陶芸を学んだ。1978年に帰国し、京都に工房を構え、さらに釉薬について大西政太郎に、色化粧について柳原睦夫に学びながら、独特の色絵の食器づくりを切り拓いてきた作家である。また、90年代に入ってからは、あくまでも日常で使われる器制作を基軸としながら、観賞されることを前提とする自己表現のかたちを構築することにも成功し、実用と非実用双方の作品制作に取り組むことによって、独自の陶芸表現を醸成するという制作姿勢を貫いている。
 本作品は、勝間田が器制作のプロセスのなかから見出した自己表現のかたちである。食器制作では、彼女が根底にもつ有機的な形体への共感は楕円を基調とするシンプルな器のフォルムとなって表されているが、純粋な自己表現において勝間田は、それら器を成す基本形を複合し、独特の有機的造形物を構成し作品化している。表面は、器と同様の手法で施した色化粧土の複雑な色相を、コンプレッサーで吹き付けた鮮やかな黄で覆うことにより、器とは異次元の造形物として強烈な存在感を打ち出すことに成功している。

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