柿釉片口
タイトル(よみ) | かきゆうかたくち |
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作家 | 田尻誠 Tajiri Makoto |
制作年 | 2000年 |
寸法 | 5.5×14.2×12.7cm |
員数 | 1 |
解説 | 田尻誠は銀座のグラフィックデザイン事務所に勤務していたが、当時雑誌で目にしたやきものに惹かれ退職。その後武蔵野美術大学にてやきものを学んだのち、知山陶苑にて安藤光一に師事する。1978年に独立して瀬戸に工房をかまえ、今に至る。 田尻の作品は、自分が使いたいもの、あるいは自分が使いやすいものを念頭に、「和洋を問わず使用できるように」と制作される。これら普段使いのうつわは、手作りの食器でもいつでも買い足しが可能なように意識的にパターン(紋様)を省くようにしているという。また彼は、自分の「匂い」は香る程度でよいとの考えから、個性むきだしのうつわ、緻密なうつわより、使用する側が入り込める「すきま」のあるうつわが好きで、とりわけポットなど複雑な形態の作品にはパターンよりも釉薬の変化でアクセントをつけるようにしている。このように田尻にとって、デザインとはポット一つのデザインを考えるのではなく、食卓をイメージした作品をデザインすることなのだ。 さらに、彼自身陶芸を志した理由として「使用できることに価値をみいだしたから」と語るように、彼は素材をどのように活かすかといったことを考慮しながら、日常性と関わりあう作品を制作し続けたいという。 |