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白磁水滴

タイトル(よみ)はくじすいてき
作家奈良千秋 Nara Chiaki
制作年2000年
寸法6.3×11.0×6.6cm
員数2
解説 奈良は高校の工芸科で木工を経験した時に、ものづくりのおもしろさにふれた。卒業後は愛知県立窯業訓練校で学び大谷焼、九谷青窯などを経て独立。町田市に築窯した後、長野県小県郡真田村に移り住む。奈良の白磁はタタラ成形によるものが主で、明快なラインの端正なフォルムを保持している。
 タタラ成形では切り出されたパーツのつなぎ目の乾きが違うとくっつきにくく、ひび割れやすい。1作品1枚のタタラからすべてのパーツが切り出されることが望ましく、室(むろ)に入れて各パーツが同一に乾くまで待ちつづけなければならない。あれこれいじくりまわして造られるのではない。始めから作家の思うかたちにパーツが切り取られ、つなぎ合わされている時に一部分でも違いがでると素地が引っ張り合って、キズが入ってしまう。すべてのパーツのかたちは、完成後のかたちに即して厳格なまでに決められている。パーツが組み合わされた成形後の表面は、水をしみ込ませたスポンジで整えるなどしない。始めから作り出されるかたちに向かって無駄のない、迷いのない制作過程が品格ある作品を生みだしている。轆轤による作品も潔い鎬(しのぎ)によって明快なフォルムが強調されている。

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