F型コーヒーカップ
タイトル(よみ) | えふがたこーひーかっぷ |
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作家 | 森正洋 Mori Masahiro |
窯名 | 白山陶器株式会社 |
制作年 | 1974年 |
員数 | 6 |
解説 | 森正洋の陶磁器は動的な涼しさを備えている。これは、彼が「機能性も表現の内容だ」と語るように、機能性を中心とした合理的なコンセプトが全ての作品に貫かれていることによるであろう。それは森が自分のデザインポリシーとして、「日常の生活で使う器を考え、形を創り/工場で生産することにより、/多くの人々とともに共有し/生活することに、喜びを感じる」と語るところにもみえる。 最初のGマーク選定作品である《G型しょうゆ》は機能性が全面に押し出されているが、その後、《ファンシーカップ》にいたってはちょっとした叙情性を感じさせ、その一方で《H型》シリーズでは収納に配慮した制作がなされた。また、その10年後にデザインされた《シェル》シリーズでは、同型による成形でありながら個体差のある作品が制作された。そして彼の作品は、現在では110点以上がGマークに、10点以上がロングライフ賞に選定されている。このように量産機械や技術を使用しながらも細かい工夫をこらしているのは、森が窯業指導所に勤めた経験から技術的側面にも関心を抱いていると考えられる。また彼は、戦後日本の生活様式の変化につねに対応したデザインを心がけており、そこに彼の真骨頂を見ることも出来る。森の作品は常に機能性を念頭におきデザインを重視している。 |