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色絵近彩楽園文ぐいのみTypeA反射率100%
タイトル(よみ) | いろえきんさいらくえんもんぐいのみたいぷえーはんしゃりつひゃくぱーせんと |
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作家 | 川口淳 Kawaguchi Jun |
制作年 | 1999年 |
寸法 | 8.0×6.0×5.5cm |
員数 | 1 |
解説 | 川口淳は京都市立芸術大学卒業後、まず色絵磁器によるオブジェに自己表現の活路を見出したが、やがてオブジェで行っていた自由奔放な絵付けを器類にも広げることによって、器の作家としても独自の世界を確立した。 1984年に制作依頼を受けたことがきっかけになり、はじめて作品としての実用陶磁器に取り組み、色絵磁器のコーヒーカップを制作した。この時点で川口は現在の器のスタイルを見出したという。色絵磁器の器といえば京都、九谷、伊万里の色絵といった伝統的な様式が付きまとうため、自己表現の分野として視野に入れず専らオブジェを志向していた川口であったが、この取り組みによって彼自身が色絵磁器の食器に付いて回る既成の様式を度外視することができ、実用陶磁器における表現の可能性を確信するに至った。翌年、川口は「あそびのうつわ」展と題した個展を開催し、奇抜な器形に極彩色の絵が付けられた器の世界を世に問うた。 薄手で端正な造形美と澄んだ白地に精緻な上絵が追求されてきた従来の磁器の伝統的形式から大胆に逸脱した彼の器に対して、当時は大きな反発があったという。この個展を皮切りに川口はオブジェ制作と併行して旺盛に器を制作し続けている。 「日常の時空で使われることによって各人各様の解放感を味わってもらいたい」という思いから、川口はその文様を「色絵近彩楽園文」と称し、その作品群を「楽園体感的器物」あるいは「夢の日記の器たち」と題している。 |