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他者、同一者
タイトル(よみ) | たしゃ、どういつしゃ |
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作品名(原題) | L'ALTORO,LOSTESSO |
作家 | サンドロ・ロレンツィーニ さんどろ・ろれんつぃーに |
制作年 | 1994年 |
寸法 | 185.0×98.0×90.0cm |
解説 | サンドロ・ロレンツイーニは、1975年にミラノのブレーラ美術アカデミーを卒業しているが、彼はアカデミーでは、専ら舞台美術やポスターデザインそしてマリオネットなどを学んでいる。彼が陶芸に没頭する時間をもつようになったのは、1975年以降のことであるが、その豊かな表現力と造形の力量によって、イタリア現代陶芸の次世代を担う中堅の位置にあるといってよい。 その異色な経歴のとおり、彼の陶芸表現は物語性に満ちた特異なものであり、天使や悪魔が跳梁する神話や伝説の世界を想わせる。またそれらの天使たちや紡錘形のオブジェはしばしばマリオネットのように宙吊りにされ、浮遊感を醸し出したりもする。イタリア陶芸界は物語性をモティーフとする作家が少なくないが、彼はその中で独自の世界をもった注目すべき存在といえる。1999年のファエンツア美術クラブおよび市営のタッシナーリ公園での回顧展は、彼の作品世界と力量を示したものであった。本作品は、その1999年の個展でタッシナーリ公園に野外展示された出品作中最大のもの。モニュメンタルであると共に詩想に富んだ作例である。 |