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塩釉青い花文飾壷
| タイトル(よみ) | えんゆうあおいはなもんかざりつぼ |
|---|---|
| 作家 | フランク・バトラー Frank Butler/ロイヤル ドルトン Royal Doulton |
| 窯名 | ロイヤル ドルトン |
| 制作年 | 1902-11年 |
| 寸法 | 48.5×17.0×17.0cm |
| 員数 | 1 |
| 解説 | ドルトンランベスは、19世紀後半になると、装飾陶磁器に関心を向けていくようになった。2代目ヘンリーは芸術に造詣が深く、1866年、最初のアーティストであるジョージ・ティンワースがランベスアートスクールから採用された。この初期ランベスを代表する作家として、ティンワースとハンナ・バーロー、フランク・バトラーそしてアーサー・バーローの4人が挙げられる。当時流行していたアーツ&クラフト運動を体現したかように、彼らは陶工としてではなく、「アーティスト」として採用された。4人は功績をたたえられ、現在でもテムズ河畔の元ドルトンランベス製陶所入口に掲げられている陶彫パネルに配されている。 フランク・バトラーは、ランベスアートスクールで学んだ後、ドルトンに入社した。彼は、耳がほとんど聞こえず口をきくことも出来なかったため、仕事に就くことが困難であった。しかし、ドルトンランベスで仕事を始めると、その才能を開花させ、初期ドルトンの中心メンバーとして活躍した。その卓越した才能から、グラッドストン首相なども顧客に持つほどになった。彼の作品の特長は、アール・ヌーヴォー様式とアール・デコ様式を踏まえた、曲線と直線が見事に調和した点だと言える。独特の花模様や点(玉)の扱い、交錯したラインが、彼の個性を引き立てている。 本作品は、白のラインと、彼の個性とも言える飾り玉が配されたブルーと茶の地に、植物模様が施されている。表面には、やわらかな曲線とあざやかな釉薬が施されており、アール・ヌーヴォー調の作品として成立している。 |