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ギン・オリベ嬉遊文壷

タイトル(よみ)ぎん・おりべきゆうもんこ
作家柳原睦夫 Yanagihara Mutsuo
制作年1998年
寸法53.5×34.0×22.0cm
員数1
解説 1954年京都市立美術大学工芸科入学、富本憲吉、近藤悠三、藤本能道に指導を受ける。専攻科に入学後モダン・アート協会展に初入選。1960年同校非常勤講師となる。1966年州立ワシントン大学の講師として招聘され、その後もアルフレッド大学、スクプリス大学の助教授として2度渡米した。
 柳原は渡米によりアメリカ文化の洗礼を浴び、自分自身をあらためて見つめなおすことになって「日本のやきものとは」を繰り返し自問することになる。
 76年には器物性を排除した<空>シリーズを制作するが、「木のブロックにペイントで塗ってもよい」という納得できるものではなかった。やがて装飾性や器物形(内包する空間)などを探求する。
 本作品は下部が女性の臀部のように張ったシェイプ。デザインされた形に当てはめようと作られたのではなく、手捻りで積み上げられながら出来上がった自然なかたち。胴体部分はやせることなく、手ひねり制作の際の内側からの押す力が感じられ張った感じがみずみずしい。胴にまとわりつくように施された装飾は、光沢のない銀彩で渋い仕上がりである。
 柳原の作品で見られた日本陶磁の須恵器にヒントを得た継ぎ合わされたコラージュ的な造形、水金と呼ばれる量産用の彩釉が視線を跳ね返し挑発してきたが、人の視線を誘い込むように、その挑発の方法が「日本のやきものの特殊性」として変化してきた。

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