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燿彩輪華文鉢
タイトル(よみ) | ようさいりんかもんばち |
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作家 | 德田八十吉 Tokuda Yasokichi III |
制作年 | 1999年 |
寸法 | 11.0×55.0×55.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 九谷の名門に生まれた德田八十吉は高校を卒業後、金沢美術工芸短期大学の陶磁科に入学、自然に陶芸家の道を志した。中退後、家業の製陶業に従事しながら祖父・初代八十吉に九谷の上絵の調合法や絵付けの技術を学ぶ。九谷焼の名工である祖父と父、その恵まれた環境に反発、学生の頃は志野や備前の方が好きであったともいう。「自分の九谷を作ったらいい」と画家・中村研一のアドバイスで開眼。九谷の特色は「色」であることから釉薬の研鑽を重ねた。 德田の彩釉磁器の制作方法は轆轤で成型したの後、素焼きしたものを紙やすりでみがいて本焼きをする。その後もう一度みがいた上に絵付けを行う。そのデザインによって30から70種の色釉を筆でのせて1000度を越す高温で焼成、この過程を2~3度繰り返す。 「燿彩」と名付けられた本作品の釉薬特有の透明度と深く無限にある色調は、德田が研鑽を重ねて獲得した独自の世界である。鉢の形状、見込みの深さそして釉薬の色数と焼成の回数で吸い込まれるような釉薬の流れを作り出す。その強い光沢は魅力的で伝統的絵付けとは異なった新しい九谷の創造といえる。 |