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ポット (フルーテッドポット)
タイトル(よみ) | ぽっと (ふるーてっどぽっと) |
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作家 | ルーシー・リー Lucie Rie |
制作年 | 1979年頃 |
寸法 | 19.0×10.5×10.5cm |
員数 | 1 |
解説 | ルーシー・リーは、バーナード・リーチに続く戦後のイギリスを代表する現代陶芸作家である。彼女はウィーンに生まれ、ウィーンの美術工芸学校で学んだ後の1938年に、イギリスへ渡った。その後、1951年のミラノトリエンナーレにたった二人のイギリス代表として選ばれ評価を高めたように、彼女の作品は戦後イギリスの工芸とデザインの復興に重要な役割を果たし、世界的にも広く認知された。 リーは「器」であることにこだわり続け、有用な形態の作品群を制作したが、それらはロクロ成形による極めて薄手の器形を特徴としている。しかしそれらは「器」といっても、牧歌的な伝統品ではなく、都会的で現代的なフォルムを有している。彼女はこのようにして、inlay(象嵌)、sgraffito(掻き落とし)等の様々なフォルムの作品を制作しているが、“A fluted Vase”と通称されてきた本作品は、そういった代表的フォルムを持つ作品群の一つである。Fluted(溝彫り)については、リーが生前、深い溝を持つ作品群をそのように形容して呼称していたことが明らかになっている。本作品は、このやわらかで繊細な縦溝(fluted)により、作家の持つ品の良い温かさが見事に表現されている。 |