braille
タイトル(よみ) | ぶらいゆ |
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作家 | 岡崎達也 Okazaki Tatsuya |
制作年 | 2004年 |
寸法 | 各 4.5×4.5×4.5cm |
員数 | 2 |
解説 | 1976年、愛知県に生まれた岡崎達也は地元の愛知県立芸術大学デザイン工芸科陶磁専攻にて、栄木正敏に師事した。卒業後、製陶会社のデザイン室に勤めるが、「制約の中での仕事に魅力を感じなかった」という理由で退社、自身がデザイナー、メーカー、商社を兼ねるスタイルを選択し現在に至る。その後、全国のクラフト公募展で入賞を重ね、最近では公立美術館での展覧会に招待されることも少なくない。 岡崎は、自身の制作するものを「自己表現としての作品であり、収入を得るための商品であり、普段使いの生活道具でありたい」とする。多くのデザイナーがそうであるように、大学入学前には漠然と自動車デザイナーを志していたというが、車や家電と違い、陶磁器は全て自分一人で制作することが出来、出来上がった商品を「自分の作品」としやすい素材であることに気づく。その素材を使用しながら型で制作出来、道具として使いやすく適当な価格のモノを制作できると、陶磁器デザインの道を進むことになるのである。 《braille》は「点字」を意味する。この点字をモチーフとしたソルト&ペッパーは「ユニバーサルデザイン」が叫ばれて久しい現代にひとつの疑問を投げかけている。健常者が日常使用しているソルト&ペッパーは「塩」「こしょう」と表記されていなければ中身がわかりにくいものである。視覚障害者は点字が記されていなければその中身はわからないが健常者には点字の意味はわからない。その暗示としてデザインされたこの作品は、ユニバーサルデザインとして視覚障害者にも中身がわかるように点字が用いられているわけではなく、健常者が日常使用する道具のひとつから障害者に関心を持つ一助とならないかと考えて制作されたのだ。見た目やうわべだけの装飾を行いがちな若いデザイナーに対して警鐘を鳴らす作品とも言えるであろう。 |