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準平原872

作家秋山陽 Akiyama Yo
制作年1987年
寸法100.0×125.0×70.0cm
員数1
解説 1980年代に黒陶による極めて独創的な造形表現を拓いた秋山陽は、ひび割れた地表さながらの様相を呈した板状の陶による一連の造形作品「準平原」シリーズを皮切りに、大地の在り様そのものをテーマとしながら新たな陶表現を展開してきた作家である。   本作品は1987年八木一夫賞展に「遮られない闇」という作品名で出品され、受賞(読売賞)したものである。1980年、造形表現として「ひび割れた土の表面」を見出した秋山は、バーナーでひび割れを炙り出すことによって生じた「土の表面」を空間に立ち上げることに挑む。円筒の表面には、一定のリズムを刻むように秩序をもって亀裂が走り、円筒は垂直方向にやや押しつぶれた楕円を成し、重力の存在をあらわにしている。リズム及び重力は、いずれもその後の秋山にとって重要なテーマとなる。秋山は1992年に本作品の作品名を「準平原872」と変更し、一連の黒陶の作品群を「準平原」シリーズとして括っている。 
 本作品の完成を以て、秋山の関心は「表面」から「内部」の充足へと向かい、1993年制作の球体の作品に至って「準平原」シリーズは完結する。秋山は「ひび割れた土の表面」の発見を契機として、自己のイメージを実現するために土を制御するのではなく、「土」ひいては「大地」と自己との関係そのものを問題とする制作を展開してゆくのである。

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