/4
「POTS」(コーヒーポットS/ホワイト)
作家 | 小松誠 Komatsu Makoto |
---|---|
窯名 | セラミックジャパン |
制作年 | 1986年 |
寸法 | 19.0×17.0×10.0cm |
解説 | 個人の嗜好の多様化と共に、生活を取り巻く製品はますます少量多品種での対応が求められる現代において、実用陶磁器の作家である小松誠は、特徴を持った規模的に小さい企業との関係のなかで時にインダストリアルデザイナーとしての役割も演ずる。本作品は、小松が後者の立場で企業家や職人との緊密なやりとりのなかでアイデアを図面におとして共同制作したものである。 本作品は、陶磁器の注器「ポット」のデザインにおいて最も重要なポイントである「水切れ」をよくするために、ステンレスのパイプがシリコンゴムの軟らかさを利用して合体させてある。また通常の注器にみられるような注ぎ口の出っ張りが極力少なくされたことによって、破損の危険は軽減し、製造上、焼成による歪みも避けられた。形状は直線と円弧曲線という幾何学的なシンプルな線にまとめ、磨かれたステンレスの光とマット釉の艶消しのコントラストを視覚的なポイントにしている。どんな色彩のインテリアにも調和するように色彩は白・黒・グレーの無彩色とし、使い手の個性によってコーディネートできる範囲を広げてる。 このように本作品は、生産効率や異素材の組み合わせによる物理的機能性の追求のみならず、無彩色を選ぶことによって使い手に暮らしのなかでの創造性を求めるなど、精神的機能性をも追求したデザインの提案を行っている。 |