瓢箪花瓶

タイトル(よみ)ひょうたんかびん
作家松田百合子 Matsuda Yuriko
制作年1997年
寸法30.0×11.0×11.0cm
員数1
解説 松田は京都市立美術大学で、富本憲吉、近藤悠三、清水六兵衛に、九谷で北出塔次郎に師事し、色絵磁器の伝統の正統を学んでいる。しかしながら古くからある五彩の基本色を選びつつも、伝統の継承・再現にとどまらず、ポップな絵付けのデフォルメされた形態で、アッケラカンとした大らかな作風による独自の色絵表現を試みてきた。早くから海外でも注目され、ファエンツア国際陶芸展では金賞を受賞するなど高い評価を得ている。
 松田は女性の臀部を型どってインスタレーションされたものや、“いとなむ”と名づけれらた枕と男女の足だけで表現された作品にも、九谷や金襴手からの装飾を施している。鉢やカップにいたっては土をちぎって継ぎあわせるパッチワークの方法を生み出した。京都で色絵の巨匠に出会い、九谷で色絵の伝統を目の当たりにして、「自分の得た技術で何が出来るのか、何をしなければならないのか」を問い、自分自身の表現を探し続けてきた。それらが松田のユーモアあるセンスによって前向きに‘華’ある作品が生まれてくることとなったのである。 
 本作品は瓢箪型の愛らしいかたちを成している。瓢箪の持つユーモラスな形態が、土をちぎっって継ぎ合わせた松田独自のパッチワーク手法とポップな装飾によって一層強調されている。‘野菜に花を挿す’生け花へパロディともいえる愉快な作品は、松田の理知的ユーモアを感じるものとなっている。

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