碧釉稜壺
| タイトル（よみ） | へきゆうりょうこ |
|---|---|
| 作家 | 木村芳郎 Kimura Yoshiro |
| 制作年 | 1997年 |
| 寸法 | 67.3×15.0×15.0cm |
| 員数 | 2 |
| 解説 | 木村は大学在学中に茶道部を結成し、そこで陶磁器に興味をもって作陶の道を志した。そして１年２ヶ月にわたり世界１周の旅に出るのである。木村が追い求めているのは世界各国で目にした‘海と空の青い色’。これが木村に試作を重ねさせて釉薬の可能性を引き出し、轆轤の技術を鍛える原点となっている。曇りない、強い鮮明な青い色は重ねて施釉焼成を繰り返して発色したもの、最低４回以上焼かれた結果でもある。器物の大きさと深みある青い色を出すために、磁土に陶土をまぜる工夫もした。長い時間を費やし、修練によって得られた「青い色と轆轤のかたち」が木村の個性となって発揮されている。その個性は各公募展での入賞や２２年間の日本伝統工芸展連続入選、また９０年代に入ってからは海外における日本陶芸の紹介展への出品など、高い評価を受けている。 本作品は轆轤で円筒に挽き上げられた後、半乾きの状態で緩やかなねじれの面取りが施され、土を加えて稜線を整える。轆轤でできた優雅な膨らみと、手捻りによるすっきりした稜線の仕上げで、しなやかに立ち上がった姿となっている。その端正な形態と相まって碧釉の微妙なグラテーションも生かされている。 |