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歩く女
タイトル(よみ) | あるくおんな |
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作家 | ピーター・ヴォーコス Peter Volkous |
制作年 | 1956年(昭和31) |
寸法 | 88.5×31.0×31.0cm |
解説 | ピーター・ヴォーコスは、アメリカの「クレイワーク(土による造形)」のリーダーであり、現代陶芸の革新者として、世界の彫刻家、前衛陶芸家たちに大きな影響を与えた存在として知られている。ヴォーコスはモンタナ州立大学在学中に陶芸の道に入り伝統的な技術を習得したが、1953年、アッシュビルの実験的学校ブラック・マウンテン・カレッジで、ジョセフ・アルバース、M.C.リチャーズ、ジョン・ケージ、マース・カニングハムらの前衛芸術家と出会い、さらにニューヨークの抽象表現主義の作家たちとの交流を通して、大きな刺激を受けた。ヴォーコスは抽象表現主義の精神を陶の造形において実現しようと決意し、大胆な発想によって、用を離れ、伝統的な工芸概念を打ち破った。また彼のもとから現代アメリカ陶芸の中心作家が多数輩出している。 本作品は、ヴォーコスが古典的な器の形態を破り始め、前例をみない革新的な作品を次々へと発表した頃の典型的な作例であり、ヴォーコス自身によって制作年は1956年と特定されている。球形、円筒形、スラブ(板状の土)などが重層的・集合的に構成され、まさに抽象表現主義的な賦彩がほどこされている。1950年代の作品が稀少である中で、本作品は当時のヴォーコスの陶芸革新の意欲みなぎる作品である。 |