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青い机上の静物

タイトル(よみ)あおいきじょうのせいぶつ
作家柴田眞理子 Shibata Mariko
制作年1996年
寸法114.1×60.0×60.0cm
員数4
解説 美術系大学だけではなく、地方各地の窯業学校から造形志向の若手作家が育っているが、柴田もその一人である。柴田は在学中に国際陶磁器展美濃陶芸部門入選(1989年)、同展審査員特別賞(1995年)受賞の他、「現代陶芸の若き旗手たち」(1996年)「磁器の表現ー1990年代の展開」(1996年)などの出品作家に選ばれるなど、 90年代に注目されてきた作家である。柴田は彼女が考えるやきもののイメージ‘壊れやすさ’を、底の狭い不安定な器物と浸食されたような透けた形状によって強調し、独自の表現を展開する。
 本作品は石膏型に紐状の土を貼り付けられてかたち作られ、表面には石膏に押しつけられた時にできるしわ、ひびなどが残されている。柴田が磁土によって望むかたちを維持するために、1100度程で焼成されたことが、もろさを演出する結果ともなった。素材への工夫から得られた壊れやすい印象と3本のやや長めの足からは、柴田の「緊張感を感じてもらいたい」思いが十分に伝わってくる。作品のもつ‘はかなさ’が逆にその存在感を示めすこととなった。同時代に饒舌な表現が多くなされてきた中で、淡い青一色で抑制された表情は、洗練された個性となって表現されている。

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