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黒釉錆流描角皿
タイトル(よみ) | こくゆうさびながしがきかくざら |
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作家 | 濱田庄司 Hamada Shoji |
制作年 | 1970年頃 |
寸法 | 5.8×27.0×27.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 濱田は民藝運動の中心的存在である。バーナード・リーチとともに過ごしたイギリスのセントアイヴィスでの作陶生活を終えて帰国後、益子に築窯後は、制作に邁進する。「私の仕事は英国に始まり、沖縄で学び、益子で育った」と濱田自身述べている。 本作品の流し描きは、雑器の簡便で安価な可飾法として各地の民窯で用いられてきた手法であるが、濱田はそこにある無意識の仕事が成せる美を看取し、その手法を自家薬籠中のものとし、自らの独創性をもっとも際だたせる表現にまで高めてた。濱田は夥しい数の流描による作品を制作し、その表現は晩年ますます円熟する。 角皿の成形は型によって行われ、素地に黒釉をたっぷりと掛け、錆釉で流し描きが施されている。おおらかで屈託のない直線と交差する曲線の有り様は、程良い緊張と動勢をつくっている。そこには完全な濱田の美意識による制御が働き、瞬間の美が活写されている。 本作品は、民藝運動に身を投じつつ独自の陶境を拓いた個人作家としての濱田を雄弁に物語る一作である。 |