Growing Weather

タイトル(よみ)ぐろーうぃんぐ うぇざー
作家ボディル・マンツ Bodil Manz
制作年2016年
員数3
解説ボディル・マンツを代表するのは、1990年代頃から手掛けている紙のように薄く仕上げた筒型の磁器作品群である。鋳込み成形によって非常に薄く、柔らかく光を通すよう作られた器体には、切り込みが入れられたり、カットした転写シートによる線や幾何学形態が施されたりして、様々な感覚が表現されている。器体の表面のみならず、しばしば内部にも施される装飾は、光とともに薄く透けて表面の装飾と呼応する。分割された色面構成はマレーヴィチやモンドリアンの造形を彷彿とさせる。しかしマンツのそれは円筒という形だからこそ生まれる内と外、表と裏を、透ける光を通じて繋げる三次元上の探求である点、また器形という日常的なスケール感ゆえに生まれる親しさを備えている点に特徴がある。
Growing Weatherと題された本作は、作家が近年積極的に取り組んでいる気候・天気をテーマとした作品である。季節や日々の空模様によってうつろう光のヴァリエーションが、限られた色面と線によって表現されている。本作は3点組として構成されることにより時の流れ、自然のうつろいが想起され、さらなる奥行きが感じられるものとなっている。

PageTop