お祝いセット

タイトル(よみ)おいわいせっと
作家ガブリエル・ハイン Gabriele Hain
制作年2004-05年
寸法7.0×9.5×7.0cm
員数5
解説ガブリエール・ハインはリンツ産業芸術大学にて陶芸を学んだのち、デンマークのビング&グランデールにて5年間、レジデンスを行った。ここで彼女は北欧から大きな刺激を受けたと語り、事実彼女の作品には北欧的な繊細さが備わっている。そして1980年代から「オーストリア現代陶芸」といった種のほとんどの展覧会に選出されるようになり、独特の磁器世界を発表し続けている。
 ハインにとって、器とオブジェに優劣の差はなく、それぞれを半年毎に制作しているのだという。これは、多くの現代陶芸家が、オブジェ制作をメインとしながらも生活のために器制作を行っている現状を鑑みると、珍しいタイプの作家であるといえるだろう。また彼女は作品を制作する際、一貫して「薄さ」をテーマにしている。透明で透き通ったものに感銘を受けるので、陶器ではなく磁器制作を続けているのだ。そしてその意識は確実に作品に反映されている。
 このセットは、飲用のツインカップとごちそうのための小さな容器から成る、特別な行事のための様々なタイプのカップである。切り取りによって生み出されたこれらの彫刻的な特徴は、祝うという精神的な側面と人生における特別な瞬間を強調しているのだ。
 本作品は、「器」という形態を用い、やきものの古来からの使命のひとつである日常とのかかわりを、現代的に解釈した作品である。

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