反転しながら増殖する形態

タイトル(よみ)はんてんしながらぞうしょくするけいたい
作家中島晴美 Nakashima Harumi
制作年2009
寸法43.5×55.0×32.0 cm
員数1
解説中島晴美は、大阪芸術大学を卒業後、信楽の精糖会社に勤務したが、熊倉順吉の勧めもあって、多治見市陶磁器意匠研究所の職員となり、現在は愛知教育大学で教鞭を執ってるが、作家としての実績とともに、後進指導の面でも、その評価は高いものがある。
中島は、この「苦闘する形態」シリーズから明瞭に有機的な抽象表現に挑んできた。生物が成長し増殖する動きと、その動きを均衡させコントロールする、中島独特の手捻(てびね)りによる成形のシステムが、動きとともに秩序を感じさせる。当館がすでに収蔵している第4回国際陶磁器展美濃金賞受賞作は陶器でできているが、2002年頃からは磁器を手がけている。本作品も磁器によるものだが、磁器の作品からは、システムがより複雑に反転するようになって、その動きはさらにダイナミックになってきた。現代陶芸の分野で、とくに近年しばしば見られるようになってきた有機的抽象を代表する表現である。

PageTop