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境界・系Ⅱ
タイトル(よみ) | きょうかい・けい2 |
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作家 | 秋山陽 Akiyama Yo |
制作年 | 1998年 |
寸法 | 117.0×172.0×361.0cm |
員数 | 1 |
解説 | 1980年代に黒陶による極めて独創的な造形表現を拓いた秋山は、ひび割れた地表さながらの様相を呈した板状の陶による一連の造形作品「準平原」シリーズを皮切りに、大地の在り様をテーマとしながら新たな陶表現に挑み続てきた。「ひび割れた土の表面」についての秋山の関心は、やがて「土」ひいては「大地」と自己との関係そのものへ向かい、92年以降は技法も黒陶から高火度焼成に移行し、大型作品を展開している。 まずドーナツ状に成形した円筒を、内側からバーナーで炙ることによって亀裂を入れる。その亀裂を利用して円筒の内側の面を外側に切り開いてのばし、亀裂が生む土の表情を増幅させ露呈させる。こうして剥き出しにされた土の表面はさらに、部分的に剥ぎ取る、土肌に泥をかける、半乾きの時期に再度バーナーで加熱して表面をはじかせるなど、乾燥の過程で手が加えられ、土の表情は一層複雑さを増してゆく。焼成後、さらに表面に鉄粉が施され土のテクスチャーが整えられる。土の塊との時間をかけたやりとりのなかで紡がれた多様な土の表情が積み上げられ、全体として一つの強靱な相貌を呈するに至る。 本作品において秋山は、それぞれの土の塊が占める領域、さらに塊と塊との差異、土の塊に覆われた内部と外部の関係などを探ろうとしている。これまで土の表情と密接に関わる重力、リズム、振動といった現象をテーマとしてシリーズ化してきた秋山の新たな展開を告げる作品である。 |