無題

タイトル(よみ)むだい
作品名(原題)UNTITLED
作家ヤーゲル・マルギット Jager Margit
制作年1992年
解説 ハンガリーの陶芸作家、ヤーゲル・マルギットは、ブダペストの出身で、現在もブダペストに在住している。1979年にハンガリー応用美術大学の陶磁器デザイン部門を卒業し、作品の発表を始めた。1981年に独立。国内各地(ケチケメート、他)の陶磁器展などで作品を発表する他、スペイン、イタリア、日本など国外の展覧会にも出品している。個展は1986年以降、ブダペストなどで開催してきた。
 ヤーゲル・マルギットは主に食器や陶彫を制作してきた。作風については、西洋古代への関心が特徴の一つに挙げられる。
 この作品についても、ヤーゲル・マルギットは人々に、古代ギリシャ文化を思い出してもらいたいという。ティーポットの渦巻き文様は、ギリシャ神話で神々の使者、ヘルメスの杖に、2匹の蛇が巻き付いているという話に基づいている。二つのティーポットの蓋のつまみは、それぞれ男性と女性の胸像となっており、これらも古代ギリシャに関係していると思われる。そして彼女は、このようなカップで飲み物を飲むことが心地よい、ということを人々に考えてほしいと語っている。
 制作方法に関しては、1,250℃で焼成した磁器で、鋳型により成形。石膏型は自分で制作し、鋳込みの工程は工場で行われている。青緑色の釉を用い、その厚みの違いによって発色が異なっている。
 本作品は1992年の第3回国際陶磁器フェスティバル美濃における、陶磁器デザイン部門の審査員特別賞受賞作品である。

PageTop