雄のウェービング(第3、第4歩脚の毛が見える)

ヒメヤマトオサガニ ( No English name )

名称(ヨミ)ひめやまとおさがに
中分類エビ目(エビ、カニ、ヤドカリなど)
小分類スナガニ科
形態甲幅2センチあまりで、横長の甲羅を持つ。眼柄(がんぺい)≒目の根元の棒の部分は長い。全体が泥に似た褐色、やや赤みがかった褐色で、はさみは白く目立つ。雌のはさみは小さい。本州中部以北に分布するヤマトオサガニは歩脚に毛がなく、それより南に分布する本種は第3、第4歩脚に毛があることで見分けられる。ただし、近縁で酷似するフタハオサガニにも、同様の毛があるので注意が必要。
概要【分布】
国内では和歌山県以南から沖縄県にかけて、朝鮮半島西岸から中国南岸、および台湾に分布する。徳之島でも泥のある干潟で見られる。

【生態】
泥に穴を掘って住む。干潟や水中で、はさみを用いて泥を口へ運び、デトリタス(動植物のかけらなどの有機物)をこしとって食べる雑食性。ゴカイ類、動物プランクトンと並び、干潟の浄化に最も貢献している生物のひとつ。梅雨前後から秋にかけ、オスは暑い日にウェービング(万歳のような動作の繰り返し)をする。その様子から、学名がMacrophthalmus banzaiとなった。また雌雄とも、炎天下で甲羅干しする姿が見られる。生息場所では、とても密集して生活していることが多い。キアシシギ、キョウジョシギ、ムナグロ、ハシブトアジサシ、ズグロカモメなどの鳥類や、ミナミクロダイやコトヒキなどの魚類の餌となっている。なお、近縁のフタハオサガニは砂の多い砂泥を好むほか、ウェービングしない。

【島内の目撃情報】
天城町総合運動公園西側の干潟で、干潟を埋め尽くすほど大量に見られていたが、近年は国内外来種メヒルギの繁茂や、砂の流入によって、あまり見られなくなった。

※関連URLは、近縁種フタハオサガニのリンクである。
観察できる場所河口など汽水の影響を受ける、泥底の干潟
生息地のGoogleマップURLhttps://goo.gl/maps/wTHc34xE3pM2
関連URLhttp://jmapps.ne.jp/amagi/det.html?data_id=8110

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