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07-01-04. 昔ばなしの広場 梅ばあちゃんの薬玉
資料ID | 243 |
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名前(読み) | ムカシバナシノヒロバ ウメバアチャンノクスリダマ |
名前(英語) | Grandma Ume's medicine ball, a square for the folklore |
テーマ | みどりの散歩道コース |
コース | 07.碑文谷・立会川コース |
コンテンツ | 01.碑文谷の今昔 |
資料紹介 | 梅ばあちゃんは僕のおばあちゃんのお母さんで、九十歳を越していました。その梅ばあちゃんが話してくれた話です。 梅ばあちゃんは春になると、立会川の土手からよもぎを麻袋に一杯とって来て、庭の蓆(ムシロ)にひろげて干したり、くさもちを作ってくれたりしました。 「よもぎというのはね、千年も前から薬や厄除けに使われていたんだよ。いい匂いがするだろう」 「うん。すーっとするね」 「その匂いがからだにきくんだよ。たくさん吸いこんでおくと病気にならないよ」 ぼくは、蓆の前で何度も深呼吸をしました。 やがて、よもぎがカラカラになる前に小さくまとめてテニスボールぐらいの球をつくります。それに白い絹糸をかたく巻きつけ、その上に糸の色をえらび、模様をきめて丁寧(テイネイ)にかがります。 ばあちゃんは僕たちの家族8人といとこたちみんなに、このきれいな糸手毬の薬玉を毎年くれました。 刈り上げの日、家では神様に豊作のお礼をします。その時とっておいたよもぎ入りの餅もつくります。その日に梅ばあちゃんは 、「お守りだよ」 といってみんなに丹精の薬玉をくれます。「ありがとう。梅ばあちゃん」 薬玉は呪力を持った魔よけの毬だったのです。 お正月の七草がゆや五月の菖蒲(ショウブ)湯、冬至の柚(ユズ)湯など折々の行事と共に長い歴史の中で大切にされたものです。梅ばあちゃんが死んで、もう誰も薬玉を作ってくれる人はいません。最後にもらった緑色と白の薬玉は僕の宝物の一つで、どんど焼の時も焼かずに今でも机のひきだしの奥にしまってあります。 |
データ利用条件 | 教育目的での使用については、権利所有者の許可は必要ありません。 |
コース紹介 | https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=238 |
コンテンツ紹介 | https://jmapps.ne.jp/9093/det.html?data_id=239 |