花札想八月

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所蔵者宇部市
分類別検索平面
作者粟津 潔
制作年
作品解説木版画
〈花札想〉シリーズの八月にあたる作品。本作のモチーフは、ススキ。画面下半分の半円は、ススキが風になびいて、ひとつの塊となった山である。本作では、線描を境に鮮やかな色面が構成されている。花札の一般的な図柄とは対照的に、背景では黒色を使用しており、山の鮮やかな色彩を強調させている。粟津は「色彩の用い方を考える時、明暗性の高い色彩を用いるのは、できるだけ思考によって生れる色彩ではなく、色彩こそ感性の再現であることを、私自身が認めておきたいから」*として、印刷物の原色である青色、赤色、黄色、黒色を中心にできるだけ原色のまま用いるようにしていた。本作では、デザインにおける色彩の在り方への意識がうかがえる。

*粟津「色彩のこと」『粟津潔 造形思考ノート』河出書房新社、1975年、p.50.
サイズ50.4cm×51cm

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