TUNING FORK

分類別検索野外彫刻
所蔵者所蔵外
資料名(日本語)TUNING FORK
Document NameTUNING FORK
作者Piotr Twardowski Piotr Twardowski
制作年2005
設置場所経年のため2023年9月に撤去。旧設置場所:山口大学附属病院北門
材質塗装された鉄
サイズ350cm×190cm×210cm
重量350kg
出展第21回現代日本彫刻展
作家のことば
作品解説【作者コメント】「ときめき」という言葉の意味を、私は、形状、機能の点で、「音叉」に見出す。私には「音叉」が、精巧な構造と複雑な作用過程とを有する、脈動する有機体に見える。私は作品において、この作用を引き起し、維持する、エネルギーと力とを明らかにしたかった。
私の作品には、有機体的な要素がある。生命のリズムがその「ときめき」とともに潜む官能があるのである。
私は、厚めの叩き出しの鉄板を使っている。お陰で、作品の個々の部分のより十分な調整の機会、テーマの分析・統合及び、沈思黙考のときを得ることができた。作品制作の過程が、制作探求の場となったといえる。

[Creator’s Comment] I see the meaning of “twinge” in “tuning fork” in terms of shape and function. To my eyes, a tuning fork looks like a pulsating organ complete with an elaborate structure and complex action process. Through the work, I wanted to unveil the energy and force that triggers and sustains the action. My works always contain an element of organism. There is a hidden sensuality, existing along with the “twinge” of the rhythmic life. I use thick, hammered iron plates for my works. The material enabled me to make sufficient adjustments on each part of the work, analyze and integrate themes, and quietly reflect on the work. In other words, the production process became an opportunity to explore the production in depth.
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第21回現代日本彫刻展の模型公募では国内外から二百八十四点が届いた。その中でも、ポーランドから来たこの作
品はよく覚えている。多数並べられた中で、その造形感覚は他の作品と比べ、際立っていたからだ。応募の大半は日本の彫刻家である。もちろん、個々によってさまざまな素材や技法を駆使するが、海外の作品と比較すると、やはりある傾向が見えてくる。丁寧で繊細な仕上げ、細部の完成度の高さが特徴だ。だが、この作品は全く異なった質を持っている。抽象ながら生命を感じさせる形態、部分が連動して大きな空間をつかまえる展開力。それは、ヨーロッパ彫刻の伝統に連なる造形感覚なのだろう。この作品では音叉(おんさ)を題名としており、特に彫刻全体としての調和した姿を意識的に制作している。こうした作品の出現は、長く続いた宇部の彫刻展を相対化する一方、今後の展覧会の広がりも予感させてくれる。
資料ID21639
旧番号205

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