鼓動

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)鼓動
Document NameBeat
作者朝野 浩行 ASANO Hiroyuki
制作年2003
設置場所真締川公園西・山口大学附属病院正門北
材質黒花崗岩
サイズ220cm×220cm×70cm
重量6000kg
出展第20回現代日本彫刻展
作家のことば
作品解説【作者コメント】膨らみのある円形に開いた穴から、生命を象徴する力強い心臓の鼓動が響きわたるようなイメージをもとに制作しました。
素材である石は、我々が想像もつかない遥かなる悠久の時間を持つ産物であり、生きものの化石を含む物もあります。そんな太古からの生命の鼓動が、とてつもなく永い時間を越えて現代の空間に響いて来るような感じを表現しようと思いました。

[Creator’s Comment] The production is based on the imaginary heartbeat ringing out from the hole in the circle, smooth and bulging as if symbolizing life. The stone used as the material is a creation of unfathomable depths of time. Some of them also contain animal fossils. I wanted to express the heartbeat of life, existing since the dawn of the time but transcending the infinite time and still resonating with our contemporary world.
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レンズ型の花崗岩の中に穴を通した形状の作品。石は均一な状態が中身まで詰まった、重量感のある素材である。そのため、石彫作品は周囲を圧倒する強い存在感を示す。しかし、そこに穴を空けることで外界が取り込まれ、周囲の空間との調和が生まれる。とくに厚み(奥行き)のある形の場合、石の中に空間が体積として収まったように感じられることになる。この穴は前-中-後の、三つの大きさから成り立つ。中央の穴が最も小さいため、空間は中心に向かって集中していき、それを過ぎると拡散していく。穴同士をつなぐ緩やかな曲面に導かれて、視線は中央の穴の後ろ側へと回り込もうとする。さらに表面のレンズ型の曲面がそれにつながり、視線の動きは作品の表面全体をなぞることになる。こうした柔らかい形を硬い石からつくり出すには、皮をむくように、何度も表面を削り、磨く作業が必要になる。彫刻の形に導かれて石の表面を目で追うことは、制作時の視線と同じものとなる。作品に手が届くような近い位置からは、形だけではなく、彫刻と空間との関係が見える。
資料ID21624
旧番号190

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