時のシルエット

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)時のシルエット
Document NameSilhouette of Time
作者新宮 晋 SHINGU Susumu
制作年2003
設置場所ときわ公園・噴水池内
材質帆布、スティール亜鉛メッキ仕上げ
サイズ高さ275cm×最大回転直径600cm
重量1903kg
出展第20回現代日本彫刻展 大賞(宇部市賞)Grand Prize (Ube City Prize)
作家のことば
作品解説【作者コメント】私は、風や水といった自然エネルギーで動く作品ばかりを作っています。「時のシルエット」では、風、空、水、光など、作品を取囲む自然のすべての要素を一つに溶け合わせて、移り行く時の流れを豊かに演出してみたいと思いました。作品を支える構造的な部分は水の中に隠れているので、目に見えるのは、9枚の白い帆と、その水に映る姿だけです。一見気まぐれに見える帆の動きは、今目の前を通り抜けた風の軌跡を示しています。

[Creator’s Comment] I have been exclusively producing mobile works powered by natural energies like wind and water. In “Silhouette of Time”, I wanted to merge all elements of the nature surrounding the work, like the wind, sky, water, and light, to richly depict the flow of time. Because the structural element of the work is hidden underwater, only the nine white sails and their reflections in the water are visible. The seemingly whimsical movements of the sails show the traces of the wind that has just passed by.
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風で動く、湖に立てられた9本の帆。それぞれの帆の軸(上段)のほか、三つの帆をつないだユニットの軸(中段)と、さらに三つのユニットをつないだ軸(下段)の、合計3段階に分かれて水平に回転する。下の軸ほど重量が掛かることに加えて、水の抵抗も受けており、回転速度には大きな差が生じる。陸上にある「動く彫刻」とは異なった、独特の緩やかなリズムを刻むことになる。側面から見ると、それぞれの帆は二等辺三角形と台形を合わせた、文字通り幾何学的な形態。シャープなエッジが回転しながら入れ替わっていくことで、背景の湖水や対岸の緑、青い空が現れては消える。風や水などの自然現象が作品の魅力をつくり出すと同時に、作品は自然の景色の美しさを再確認させるように働いている。自然のエネルギーで動く彫刻の制作を通して、作者の視線は、それを生み出す地球の不思議さやその大切さへと向かうことになる。風で動く彫刻とともに世界各地を旅した「ウインドキャラバン」の活動もそのひとつ。作品の背後には、エコロジカルなメッセージが込められている。
資料ID21619
旧番号185

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