人間は神話を捨て去ることが出来るのか-Ⅱ

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)人間は神話を捨て去ることが出来るのか-Ⅱ
Document NameIs It Possible for Human Being to Discard Myth? – II
作者戸田 裕介 TODA Yusuke
制作年2001
設置場所ときわ公園・石炭記念館前
材質ステンレス、白花崗岩(稲田石)、ステンレス製ワイヤーロープ
サイズ680cm×260cm×180cm
重量10000kg
出展第19回現代日本彫刻展
作家のことば
作品解説【作者コメント】
整理整頓されていく一方の現代の都市。空き地や廃屋のような無用途な物は、どんどん姿を消していく。けれども、私たちの生活空間は、便利になればそれで良いのだろうか。昔は、どこの聚落でも大事にされてきた古い大木、雑木林の中の小さな祠。入り組んだ街並みの辻で出会った不思議な石塔、畏怖すべきものたち。私たちの神話や昔話を生み育てた大切な土壌。
私は、必要以上にコンセプチュアルな現代都市へ、無言の異議申し立てをしたい。
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巨大な花崗岩と巨大なステンレスパイプの組み合わせ。圧倒的なスケールの生む力強さが、身体に伝わってくる。縦方向に3分割したパイプの上部を鉄ワイヤで縛り、上から圧力をかけて石をその間に押し込んでできたかたちである。作者が成したことは上記のような方法の設定とその実行である。ここでは厳密な意味でのかたちは、作者の手を離れている。石とパイプがどのような関係を形成するかは、鉄ワイヤでの縛り具合や不整形な石のかたち、かけられる圧力の強さや方向などに依存する。こうした複雑な要素が絡んだものを、事前に完全に予測することはできない。材質の物質性がつくりだすかたち。しかし、ここでは「素材を生かす」といった意識ではなく、もっと突き放した思考がなされている。人間性と交差しないような物質の力が前景化され、見る者が自分に同一化できない他者としての作品を出現させることで、人間中心主義という『神話』が反語的に問われる。この作品の巨大さは、何よりもこうした思考と結びついている。古代遺跡の巨石や神社の巨木など、人間を超越するかのような存在が放つ力。作品が人間性に取り込まれないために、そうした力が要求される。
資料ID21614
旧番号180

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