円の仕掛/滑空

分類別検索野外彫刻
所蔵者宇部市
資料名(日本語)円の仕掛/滑空
Document NameMechanism of Circle/Gliding
作者生形 貴春 UBUKATA Takaharu
制作年1999
設置場所ときわ公園・周遊園路・スポーツ広場西入口
材質ステンレス
サイズ720cm×415cm×600cm
重量1620kg
出展第18回現代日本彫刻展 毎日新聞社賞
作家のことば
作品解説ステンレスの大きな輪が転がりそうにその力でグイッ!と長い三角柱を空に突き立て、又、水平に持ち上げています。そこに、緊張した空間が出現します。でも作品は内容だけでなく、彫刻はその周囲の環境とも関係してきます。なるべく立体的に見ることの出来る場所に設置しました。いろいろな角度や距離から見てほしいのである。丘を見上げるように。又湖水をバックに。そうすると新しい風景が生まれます。そこに野外彫刻の臨場感を可能性があると思います。

[Creator’s Comment] A big stainless-steel ring looks as if it is about to roll, and the rolling momentum pushes the triangular prism up in the air! – And keeps it in midair horizontally. The balance creates a space filled with tension. A sculpture, at the same time, must also take the surrounding environment into account. I placed it where viewers can have a three-dimensional view of it, because I wanted them to appreciate it from as many angles and distances as possible. You can look it up from the foot of the hill. You can enjoy its view against the backdrop of the lake water. The possibilities of open-air sculptures lie in how they create new landscapes by their convincing presence.
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六メートルのステンレス鋼の三角柱。一本は水平に、一本は斜めに立てられ、その二つが地面に接する円弧で結ばれる。円断面は正方形。それは正方形の動く軌跡のイメージを喚起し、円による二つの三角柱の有機的な関係を導き出す。幾何学的形態の三つの要素が、構成によって一つの総合的な姿として現れる。斜めに立てられた柱は、円の回転を受けて傾いたように設定され、水平の柱は端の方で円とつながる。三角柱の一つ一つを見た時には不安定にも映るが、二つが力学的に呼応するようなバランスを保つことによって、運動/静止の両義的なイメージを創出する。二本の三角柱には、ライトグリーンの塗装が施される。この色彩によって、金属の材質感と、そこから派生する重量感を感じさせない。地球の引力の中で、円が三角柱を支持しているのではなく、まるで重力から解放されたかのように見えてくる。一方の円形部分の表面には、円周に沿ってヘアライン加工が施され、円の運動感を補強している。形態、構成、色彩、表面加工…その総体が抽象性の高い作品イメージを作り出す。常盤公園という具体的な屋外空間を分節する軸としての彫刻となっている。
資料ID21594
旧番号160

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